エアコンの原理を知って、節電と快適さを両立
~エアコンのかしこい使い方~

前回は、世界12都市の調査から見えた東京の暑さをご紹介しました。
夏場にエアコンを24時間ほぼ使用する人が58.6%いることからも、エアコンは私たちの生活に欠かせない、インフラに近い存在になりつつあります。
必要なときには適切に使用しながら、省エネも両立させていくことが重要です。
今回はエアコンの原理と検証結果をもとに、エアコンのかしこい使い方をご紹介します。

▶▶ 前回の空気だよりはこちら

 



まず知っておきたい エアコンの原理

エアコンは、電気で熱をつくる暖房器具というより、熱を運ぶ機械です。
冷房時は室内の熱を室外へ運び出し、暖房時は室外の空気に含まれる熱を室内へ運びます。
この仕組みを「ヒートポンプ」といいます。

エアコンの中では、冷媒という物質が「圧縮・凝縮・膨張・蒸発」を繰り返しながら、熱を運びます。室内機と室外機が協力して熱を移動させるため、設定温度に近づいた後は、必要な分だけ能力を落として運転できます。

では、節電のためにこまめに電源を切ると、そのたびに部屋を暖め直すことになり、かえって電気代が高くなるのでしょうか。反対に、つけっぱなしにしておけば、いつでもお得なのでしょうか。


エアコンのかしこい使い方を、次の3つの視点からご紹介します

  

  01 「つけっぱなし」と「こまめにON/OFF」、どう使い分ける?~検証結果~

  02 これからの暖房の季節~効率よく使うためのコツ~

  03 お手入れと室外機の置き方で、ムダな電力を減らす

 

01 「つけっぱなし」と「こまめにON/OFF」、どう使い分ける?

エアコンは暑い部屋を一気に冷やすとき、寒い部屋を一気に暖めるときに多くの電力を使います。設定温度に近づいた後は能力を落として室温を維持するため、短時間でON/OFFを繰り返すより、運転を続けたほうが効率的な場合があります。

一方、長時間の外出や就寝中など、エアコンを使わない時間がまとまっている場合は、停止したほうが消費電力量を抑えられることもあります。

就寝時や起床時には、生活リズムに合わせてタイマーを取り入れてみてはいかがでしょうか。暑さや寒さで眠りにくい日は、無理に停止せず、過ごしやすい設定温度で運転を続けるなど、快適さや体調を優先しましょう。

ポイントは、「つけっぱなしがいつでもお得」「停止すれば必ず節電」と決めつけないこと。外出する時間の長さ、時間帯、外気温、日射、住宅の断熱性などによって消費電力量は変わります。

ご自身の暮らしに合わせて使い分けることが、快適さと省エネを両立するコツです。


検証「1日の想定スケジュールに合わせてON/OFFした場合」の比較

1日の生活スケジュールを想定して、外出時/在宅時に関わらずエアコン暖房を24時間つけっぱなしにした場合と、外出時に運転をOFFにしたエアコンの消費電力量を比較しました。

「つけっぱなし」と想定スケジュールに合わせて「こまめに入り切り」した場合、それぞれの消費電力量と電気代の結果を見ると、日中(06:00~18:00)の消費電力量は下記の通りです。

 ▶「つけっぱなし」が5.7kWh(約177円)

 ▶ 想定スケジュールに合わせて「こまめに入り切り」が8.9kWh(約276円)

「こまめに入り切り」よりも「つけっぱなし」にした方が消費電力量は小さくなりました。

日中は天井・床・壁などの躯体に熱が蓄えられているため、エアコンは比較的少ない消費電力で運転できます。一方、深夜から早朝にかけては、運転を停止するたびに室温が低下し、その都度、冷え切った室内を設定温度まで暖め直す必要があります。その結果、多くの電力を消費してしまったと考えられます。

躯体の状態や外気温によっては、「こまめに入り切り」した方が消費電力量が小さくなり、結果が逆転する可能性も十分考えられます。

02 これからの暖房の季節~効率よく使うためのコツ~

● 設定温度を1℃下げると、約10%の省エネにつながるとされています。

● 風向は下向きに。暖かい空気は上にたまりやすいため、床付近から暖めると部屋全体に暖気が回りやすくなります。

 

● 湿度も意識。同じ室温でも湿度が高いほうが暖かく感じやすいため、加湿を上手に使うのもポイントです。

※ 省エネ効果は目安です。実際の効果は、機種、住環境、外気温、日射、設定条件などにより異なります

03 お手入れと室外機の置き方で、ムダな電力を減らす

フィルターは「2週間に1度」を目安に

フィルターにほこりがたまると空気の通りが悪くなり、冷暖房効率が低下します。家庭向け省エネ情報では、2週間に1度を目安に掃除することで、冷房時約4%・暖房時約6%の消費電力削減につながると紹介されています。

室外機の前に物を置かない

室外機は、夏は室内の熱を外へ逃がし、冬は外気から熱を取り込みます。吹出口や吸込口を荷物・植木鉢・カバーなどでふさぐと、熱交換がうまくできず効率が下がります。周囲のスペースを確保して、空気の通り道をつくりましょう。

大雪が降る地域では高置台や防雪フードを設置して、室外機が雪に埋もれないようにしましょう。


今日からできる4つのチェック

✓ 時間帯に応じて「つけっぱなし」も選択肢のひとつする

✓ 冬は設定温度を上げすぎず、風向を下向きにする

✓ フィルターをこまめに掃除する

✓ 室外機の吸込口・吹出口をふさがない

 

 エアコンはひとつの方法に決めつけずに、その日の気温や暮らし方に合わせて使い分けることが大切です。快適性や体調を優先しながら、無理なくできることから取り入れてみてください。

 

・関連リンク

 ご家庭でも。ダイキンの節電・省エネ。

 mission5-1 夏のエアコンつけっぱなし検証

 mission5-2 冬のエアコンつけっぱなし検証