こだわりが生んだ新たな空間デザイン
“自由な発想で、感性のままに空間を創る”
「The Art Line」

 建物における空間づくりの考え方は、いま大きく変化しています。
空間の「心地よさ」や「その場所らしさ」が重視される中で、設備や家電も「使えればよい」
「目立たないように隠す」だけの存在ではなく、「空間の一部」を構成する要素として選ば
れる場面が増えています。
ダイキン工業の「The Art Line」は、従来の空調・空気質の価値に加え、空調機器や空気清
浄機にアート・自然・素材感などの意匠を取り入れることで、空間づくりに合わせて選べる
デザインの選択肢を用意したシリーズです。



「The Art Line」の商品ラインナップ

 本シリーズは、デザインコンセプトごとに大きく3つに分類されています。

 

<ART>

絵画やグラフィックなど、アート表現を取り入れたデザイン。空間のアクセントとして“見せる”意匠を表現しています。

漆・螺鈿・名栗・赤富士
(期間限定デザイン)ミラーボール・みず・タイトル不明

  ※上記写真のシリーズ 

 

<NATURE>

自然モチーフや自然素材の質感を感じさせるデザイン。木・石・植物などのテイストと相性がよく、空間に自然に馴染ませたい場合に適したシリーズです。

大理石(マーブル)・ブラックレザー・チェリー・コンクリート・タン・ダークウォルナット・テラゾータイル・ヴィンテージレザー・屋久杉

 

 

 

<BLEND>

アートと自然、柄と無地、色と素材感などをバランスよくまとめたデザイン。主張しすぎず、複数の空間テイストに合わせやすい“汎用性”を重視しています。

【質感(5種類)】
 ツイード・モルタン・ヘアライン・漆喰・マット

【カラー(8種類)】
 ナチュラルホワイト・スノー・オフホワイト・クラウド・ベージュグレー・ストーン
 セピアグレー・ミッドナイト


 

 

・今回は、「The Art Line」シリーズの開発に携わったプロダクトデザイナー・長治雅彦氏に、開発の裏側や革新的な技術、今後の展望についてお話を伺いました。

 

 

 

インタビュー

 

今回お話を伺った方
  長治 雅彦さん
   テクノロジー・イノベーションセンター 先端デザイングループ
   2005年 ダイキン工業株式会社入社。一貫して空調機のデザインに携わる。
   2015年 テクノロジー・イノベーションセンターへ異動。
   欧州やアジアなど、グローバル市場向け空調機のデザインも担当。
   2023年より「The Art Line」の開発に参画。

 

   

 

空気だより事務局

今回のThe Art Lineの企画は、どのようなきっかけで始まったのでしょうか。

 

長治さん:

もともとは、社外パートナーであるセーレン株式会社様から「インクジェットを使った加飾技術(Viscotecs技術)」をご紹介いただいたことがきっかけです。
その際に「この技術をどの製品に、どのように展開できるか」という議論が始まり、デザイン部門、生産本部、空調営業本部も加わり企画が立ち上がりました。

 

空気だより事務局:

今回の加飾技術は、従来の方法とどのような違いがありますか。

 

長治さん:

従来は、グラビア印刷を施したロール状のシートを用意して、大量に同一柄を生産する方法が主流でした。一方、今回はインクジェットプリントを採用しています。これにより少量多品種生産が可能となり、富士山/木目/レザーなど多様なデザインを柔軟に展開できる点が大きな違いです。

 

空気だより事務局:

実際に見ると、木目や漆の質感が非常にリアルですね。どのように表現しているのでしょうか。

 

長治さん:

実際の素材、例えば木材や壁紙などをスキャンし、そのデータをもとにインクジェットでプリントしています。その中でセーレン様がお持ちのViscotecs技術を採用することで、凹凸感や素材感をリアルに再現することが出来ます。最終的にはフィルムに印刷したものをパネルに貼り付けて、商品として仕上げます。

 

空気だより事務局:

ダイキンでは600色のパネル展開のある“risora(リソラ)”というシリーズがありますが、“risora(リソラ)”との違いは何でしょうか。

 

長治さん:

違いの一つは「質感への拘り」です。
“The Art Line”のすべてのパネルがフーハに展示されており、訪れたお客様に素材感や質感を実際に手に取って見てもらうことができるのが600色のrisoraとの違いです。実際に手に取って見てもらうことで、自分の住まいに一番合うもの選んで購入することができます。

 

空気だより事務局:

どのようなお客様を想定して開発されたのでしょうか。

 

長治さん:

まずBtoCでは、空間にこだわりを持つ個人のお客様です。
モダンやナチュラル系のインテリアに合わせたい、家具や壁紙とコーディネートしたいという方々です。

最近は「エアコンは白でよい」という考え方から、「空間に合っているか」を重視される方が増えています。木目やレザーなど、素材感を楽しみたいというニーズも高まっています。

一方、BtoBも視野に入れています。
高級ホテルやデザイン性の高い商業施設、公共文化施設など、空間コンセプトを重視する施設です。現在は住宅だけでなく、ホテル案件での採用も進んでいます。

 

空気だより事務局:

協創によるオリジナル色の取り組みもあると伺いました。

 

長治さん:

はい。あるデベロッパー様と協創し、建物の内装コンセプトに合わせたオリジナル色を開発しました。
今後も空調機単体ではなく、空間全体の価値として提案していきたいと考えています。

 

空気だより事務局:

57種類のデザイン展開には、どのような思いが込められているのでしょうか。

 

長治さん:

最初から57種類を目指したわけではありません。
きっかけは「白は1色でよいのか」という疑問でした。

壁紙には、青みのある白、温かみのある白など複数のトーンがあります。
それなのに、エアコンは1色だけでよいのか。

トーンの違いを広げていくうちに、結果として57種類になりました。
そこにあるのは、“選ぶ喜び”をつくりたいという思いです。

 

空気だより事務局:

今後の展望をお聞かせください。

 

長治さん:

ダイキンは「空気で答えを出す会社」という企業メッセージを掲げています。

“The Art Line”は、単なるデザイン提案ではなく、空間に寄り添いながら新しい空気の価値を届けられる存在にしていきたいと考えています。
今後はホテルや公共空間など、空間価値を重視する企業様への展開もさらに広げていきたいですね。

 

 

▶ご採用事例 『東京国立博物館 茶室(九条館、応挙館) 』

 

 ・ご採用先のコメント


 茶室には温度調整設備がなかったので、夏も冬も無理して使うしかない状況でした。
今回の導入により、これまで季節によって活用しにくかった空間を、今後は年間を通して生かしていけるのではないかと感じています。
館内でも「デザインが和室の雰囲気にマッチしていて、違和感がなく、とても良い。」と好評です。海外からお越しになるお客様も多いため、空間に自然に溶け込むエアコンとして、関心を持ってご覧いただけるのではないかと思います。

 

 

          ・東京国立博物館 九条館

 

 

  

      ・東京国立博物館 九条館(床の間)
                   

 

 

・東京国立博物館 関連リンク

東京国立博物館 - Tokyo National Museum

東京国立博物館 - 展示・催し物 庭園・茶室

 

 

 

▶編集後記

The Art Lineは、「今までにないエアコン」という言葉がまさにふさわしい存在だと感じました。
実際に目にすると、色味や質感へのこだわりが伝わってきます。

数あるラインナップの中から「自分ならどれを選ぶだろう」と考える時間も楽しく、エアコンを“選ぶ喜び”を感じられる商品だと思います。

これまで“目立たない存在”だったエアコンが、空間をつくる一部として語られるようになり、The Art Lineはエアコンの新しい価値観を広げる存在だと思いました。

 

・The Art Line関連リンク

The Art Line|ダイキンの空調製品|ダイキン工業株式会社

開発ストーリー|The Art Line|ダイキンの空調製品|ダイキン工業株式会社