エアコンも健康診断する時代へ

IoT(Internet of Things)は、パソコンやスマホといった情報通信機器のみならず、身の回りのあらゆるモノがインターネットにつながることです。モノ同士が情報を共有、連携して相互に制御する仕組みです。モノの状態を見える化できるようになった現代では、ヒトと同じようにエアコンも健康診断することで、時間とコストの危機的状況を回避していきましょう!

 

 
空調機修理依頼は「夏」がダントツ!

今年の夏は皆様の空調機、トラブルはありませんでしたでしょうか?ダイキン国内のコンタクトセンターは24時間365日、空調機にまつわるご相談を頂いております。毎年、夏は空調機の利用が増えることから、修理にまつわるご相談も多くなります。

一般的に修理依頼を頂く時には、既に何かしら故障が起きている、運転に影響があるような大きな問題が起きている状態にあることが考えられます。そして対策を打つこと、安全を保つことを保全すると言います。なお、工場などで使われる機械の保全では「設備保全」と表現されます。

 


設備保全とは?

 

設備保全とは、設備や機器の故障や不備がなく長期間安全に使える状態にするために計画的に行う点検を指します。設備保全には予防保全・事後保全・予知保全という3つの考え方があります。いずれも機械や設備の状態を保つという意味では同じですが、点検・修理する時期と考え方が異なります。

 

①   予防保全

予防保全とは、立案した保全計画に従って、点検・修理・部品の交換などを行うことです。決められた時期と内容に沿って点検を行うため、空調機や設備の故障を未然に防げるのがメリットです。しかし交換するべき時期の判断を誤った場合に余計なコストがかかることはデメリットになります。費用を抑えるには、部品の使用環境・条件を見極めながら適切に点検や修理を行う必要があります。

 

②   事後保全

機械や設備に不具合が生じてから対応する設備保全のことです。事後保全では突発的に起きたトラブルに対し修理対応することとなります。空調機や設備を通常の使用できる状態に戻すために必要な部品の入手や、修理作業員の確保に時間がかかることがあります。さらに急な対応となるため、予算の確保や社内申請など担当者の予定外の工数が発生することになります。また、もし故障した空調機や設備が生産ライン等の操業に影響を及ぼす場合に、ライン停止の状況に陥ることとなれば、企業の損失に直結します。

 

③   予知保全

予知保全は、IoTやAIの導入により空調機や設備の状態を監視し、不具合の予兆が現れたタイミングで行う設備保全のことです。近年では、センサーや通信技術の発展に伴い、空調機や設備に関するデータをリアルタイムで取得できるようになっています。部品の寿命を見極めた適切なタイミングで保全業務ができるため、コストを無駄にすることなく、空調機や設備によるトラブルを回避することができます。

設備保全の課題

 

安定稼働や品質の担保、企業の信頼性向上などに寄与する設備保全ですが、実施に至らない場合も少なくありません。設備保全の実施が困難となっている背景は人が居ない、時間がない、ノウハウがないの3つが挙げられます。

 

①   人材の不足

人材不足は、少子高齢化から労働人口減少の日本国全体の問題なのは周知のとおりです。そもそも人を採用することもハードルが高くなりつつある上、自社で教育しノウハウを蓄積させるには時間もコストもかかることが前提となります。人材不足は社会全体で起こっている為、設備保全を外注しようにも外注先もなかなか見つからない状況は今度も継続していく可能性があります。

人材不足で設備保全に取り組めていない場合は、近くで働いている作業員が生産中の異音や異臭、何かがいつもと違うといった予兆を見逃さないことが重要になってきます。TPM(Total Productive Maintenance)活動も盛んに聞かれるようになってきています。

 

②   点検時間の不足

人材不足と併せて表面化しますが、日々の業務に追われ、優先順位が低くなるなど人に依存する場合の時間は有限です。気づいた時には事後保全になってしまうなど、後手のスパイラルになっていることもあります。

 

③   知識やスキルなどノウハウの不足

設備保全のノウハウが不足していることも、理由の1つです。近年では、生産設備のオートメーション化に伴い、設備保全に必要な知識や技術が高度化しています。専門性の高い知識やスキル、経験を有したエンジニアが求められていますが、要件を満たす人材は少子高齢化によってますます減少していく一方です。

 

人材教育に力を入れ、業務に携わる技術者全員の知識・スキルをアップさせること、もしくは、設備保全のやり方を予防保全・事後保全から予知保全に切り替えていくのも効果的な対策の一つです。

 


お困りごと解決事例

▶これら課題に対し、予防保全・予知保全にすることで解決できた事例をご紹介します。

 

JR九州旅客鉄道株式会社 様 
「導入により、不具合の早期発見や故障対応時の工数削減を実感しています。」

 

昭北ラミネート工業株式会社 様

 「計装システム「DK-CONNECT」を導入し、工場空調の省エネ改善を実現しました。」

 

 

 

 近年IoT(Internet of Things)ではモノ同士が情報を共有、連携して相互連携できることが取り沙汰されるようになりましたが、ダイキンでは実は30年前から培ってきた技術です。
History 30年の歩み

 

蓄積してきたデータを活用することで、精度の高い予知が出来る仕組みとなっています。ヒトが人間ドックを受ける様に、もしくはウェアラブル機器を装着し、心拍数をモニタリングするように、エアコンも常に構成物の状況を見て、健康診断と予知保全する時代、言い換えるとリスクを減らす為に何かする時代、出来る時代となっています。

 

次回楽しみにして頂ければと思います!

 

 

 

関連リンク

ダイキン工業HP 空調のあれこれ お役立ちコラム「予知保全とは?」

ダイキン工業HP 空調のあれこれ お役立ちコラム「設備保全とは?」